うつ病で働けなくなり収入が激減してしまいました。どうしたらいいでしょう。
年金というと、定年退職後の生活を支えてくれる老齢年金のイメージが強いですが、うつ病等で、長期にわたり労務不能になった場合などに受給できる障害年金をご存知ですか?
本記事では「【障害年金とは?】うつ病で働けないときの受給要件と申請方法」について解説します。
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障害年金とはどういうもの?

日本年金機構によると、障害年金とは以下のようなものです。
障害年金は、病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。
日本年金機構「障害年金」
障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、病気やケガで初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。
要するに、現役世代でも障がいで仕事に制限がでてしまった際に受け取れる年金です。
会社員として厚生年金に加入していた人は、自営業などで国民年金に入っていた人より上積みされた年金額を受け取れます。ここでも、会社員はやはり恵まれていますね。
もっともその会社のせいで障害年金受け取ることになった場合は、恵まれているとはいえないわけですが。
障害年金を受給するために必要な条件は?

障害基礎年金の受給要件
障害基礎年金を受けるためには、初診日の前日において、次のいずれかの要件を満たしていることが必要です。
(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
日本年金機構「障害年金」
(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
これを「保険料納付要件」といいます
簡単にいえば「年金保険料をしっかり収めていること」が要件になります。
この要件を満たしているかどうかは、自分で確認するより近隣の年金事務所で調べてもらうのが早くて確実です。
20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、保険料納付要件はありません。
障害厚生年金の受給要件
障害基礎年金の受給要件をみたしたうえで、厚生年金に加入していることが必要です。
障害厚生年金の場合は、障害の程度に応じて1〜3級があり、1〜2級は障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給され、3級の場合は障害厚生年金のみが支給されます。
また、障害厚生年金の場合は、軽度の障害であっても一時金を受け取ることができます。
障害者手帳(うつ病の場合は「精神障害者保健福祉手帳」)の有無は障害年金の受給要件にありません。
僕も障害者手帳はもっていませんが、障害年金2級で受給しています。
障害年金の受給手続きはどうするの?

まずは近隣の年金事務所で相談しましょう。手続きの方法等を教えてくれます。
また所定の様式があるものは、その書類をもらいましょう。その際にそれぞれの添付書類の説明を受けられます。
年金事務所に行く際は、事前に相談予約を取りましょう。
地域にもよりますが、混んでいるところでは数時間待たされることもありました。
ご家族がつきそえるようでしたら、年金事務所へは一緒に行くのがオススメ。
たくさんの書類を用意する必要があるので、うつ病を患った状態だと、結構キツイです。
僕は嫁ちゃんにつきそってもらいました。
障害年金の受給に必要な書類等
受給に必要になるものは、次のようなものです。
年金手帳 | 提出できないときは、その理由書が必要 |
---|---|
以下のいずれか 戸籍謄本 戸籍抄本 戸籍の記載事項証明 住民票 住民票の記載事項証明書 | 本人の生年月日を明らかにできる書類 |
医師の診断書 (所定の様式あり) | 障害認定日より3カ月以内の現症のもの。 ※障害認定日と年金請求日が1年以上離れている場合は、直近の診断書(年金請求日前3ヵ月以内の現症のもの)も併せて必要となります。 |
受診状況等証明書 | 初診時の医療機関と診断書を作成した医療機関が異なる場合、初診日の確認のため |
病歴・就労状況等申立書 | 障害状態を確認するための補足資料 |
受取先金融機関の通帳等 (本人名義) | 預金通帳またはキャッシュカード等 |
印鑑 | 認印可 |
書類が準備できたら、近隣の年金事務所に提出します(管轄外の事務所でもOKです)。
その後、住所地を管轄する年金事務所で書類審査が行われ、受給の可否の連絡がきます。
おさえておきたいポイント

更新のために診断書が必要になることがあります
障害の状態が変化していないか確認のため、約2年〜4年に1度医師の診断書を提出する必要があります。
期日に遅れると年金の受給が停止してしまうことがあります。
更新の数ヶ月前に、年金事務所から書類が届きますので忘れず提出しましょう。
診断書は健康保険対象外なので、ちょっとした出費になります。
値段は病院によって変わりますが、僕は1万円くらいかかってます。
障害年金には所得税がかからない
老齢年金と違い、確定申告時の雑所得には障害年金の額は含まれません。税金の計算時に間違わないようにしましょう。
国税庁 確定申告書等作成コーナーで作成できる確定申告書のフォームを使えば、このあたりのミスはなくなります
より詳しく知りたいかたは、日本年金機構のHPを参照してください。
まとめ
本記事では「【障害年金とは?】うつ病で働けないときの受給要件と申請方法」について解説しました。
記事のポイントをまとめます。
- 障害年金は現役世代でも病気などで仕事に制限ができた際に受け取れる年金
- 障害年金を受け取るには、年金保険料の納付要件がある
- 障害年金には、障害厚生年金と障害基礎年金がある
- 受給手続きは年金事務所で行うので、まずは年金事務所で相談する
障害年金は、うつ病で働けない間や、収入が落ち込んでいる間に生活を支えてくれる心強いものです。
うつ病で働けなくなったときは、障害年金を活用して、とにかくゆっくり休みましょう。