お庭にハーブのある生活って憧れますよね。
ハーブは栽培する楽しみだけでなく、ハーブティーとして楽しんだり、お料理に加えることができたりと、生活にも活用できるので、ガーデニングの楽しみも広がりますよ。
この記事では、ハーブを育てるメリットと、上手に育てるポイント、初心者でも育てやすいオススメのハーブを紹介します。
妊娠中・授乳中の方、治療中の病気がある方は、使用できない種類もあります。
また体質や健康状態によっても、身体に悪影響がでることがあります。気になる方は、かかりつけの医師に相談してください。
ハーブの基礎知識
古くから人間の生活に役立ってきたハーブ。ここでは、ハーブの基礎知識を紹介します。
ハーブとは?
ハーブとは、暮らしに役立つ植物の総称。もともとハーブとはラテン語で「草」を意味する「ヘルバ(herba)」に由来しており、普段何気なく目にしている草木や野菜も、私達の生活に役立つ植物はみんな「ハーブ」なんです。
ハーブの種類
古代ギリシア時代、医学の祖と言われるヒポクラテスは、400種類にもおよぶハーブを処方したそうです。
現在では、ハーブには1万を超える種類があるとされています。そして、それら一つひとつが抗菌作用、消炎作用、滋養強壮作用など、さまざまな作用を持っています。
たとえば、日本人に馴染みの深い「ショウガ」も立派なハーブのひとつ。血行促進や、抗菌・殺菌作用があると言われており、ふだんの料理だけでなく、薬用としても用いられていますね。
ハーブを育てるメリット

ハーブは、育てる楽しみだけでなく、収穫して利用する楽しみもあります。
ここでは、ハーブを育てるメリットを紹介します。
使いたいときにすぐ収穫できる
一度の料理に使うハーブの量は、それほど多くないもの。わざわざ買ってきたのに、冷蔵庫の中でダメにしてしまった…なんてこと、ありませんか?
ハーブを自分で栽培すれば、必要なときに、必要な分だけ収穫して利用することができます。
また、ハーブの香りは採れたてが一番。徐々に消えてしまいます。フレッシュな香りを味わえるのも、自分で育てる大きなメリットです。
農薬の心配がない
ハーブはそれ自身が抗菌・殺菌作用や害虫の忌避作用を持つものも多いです。そのため、農薬を使用しなくても簡単に栽培できます。
自分だけでなく、家族の口にも入るハーブ。すこしでも安心安全に使えるものにできるのは、嬉しいポイントですね。
料理の幅が広がる
ハーブを料理に加えれば、いつもの料理が一段上の風味に。アレンジの幅も広くなり、料理を作るのが楽しくなりますよ。
ハーブが育てつために大切な要素は4つ

前述のとおり、ハーブには1万を超える種類があります。人間にも好みがあるように、ハーブにも種類によって好む環境と苦手な環境があります。
ハーブに限らず、植物を育てるときのポイントは、その植物の「原産地」に近い環境を整えてあげること。そのために、わたしたちができるのは次の4つの管理です。
- 日あたり
- 風通し
- 水やり
- 温度
ひとつずつ解説しますね。
日当たり

ハーブが元気に育つには光が必要です。でも、必要な光の量はハーブによって違います。
真夏に直射日光をあびても元気に育つハーブもいれば、木陰などの弱い光を好むものもいます。弱い光を好むハーブを真夏の直射日光にあてると、黄変したり枯れたりします。
風通し

風通しも重要です。狭い場所にまとめて植え付けたりして、株元の風通しが悪くなるとハーブの生育が悪くなります。
風通しが良ければ、多少の気温上昇でも弱ることは少ないものです。
水やり

湿った環境を好むハーブと、比較的乾燥した環境を好むハーブがあります。
過湿や過乾燥には注意しましょう。
温度

夏に生育するハーブもあれば、春や秋の気候を好むハーブもあります。
風通しを改善することで、葉の表面温度の上昇を抑えることも効果的。
育てたいハーブが見つかったら
農業には「適地適作」という言葉があります。
簡単にいえば、「適した地域や環境条件の元で、適した作物を作りましょうね」という意味です。
家庭で育てるハーブも同じです。育てたいハーブに適した場所を選んであげましょう。
ハーブの原産地を知っておく
ハーブがどんな環境を好むかは、そのハーブの原産地を知ることで、ある程度把握できます。
たとえば、夏に雨が少ない地中海沿岸地方が原産のハーブは、乾燥気味の環境を好み、日本の夏の高温多湿環境が苦手です。一方で、東南アジアなど熱帯地方原産のハーブは、日本の夏の環境でも元気に育ちますが、冬の寒さに弱い傾向があります。
同じ種のハーブでも品種によって性質が異なる
植物は環境に適応する力をもっています。同じハーブでも品種の違いや生長によって、環境への適用能力が異なることがあります。
園芸店などで購入する際に、ラベルに記載されている品種情報等を参考にしましょう。
毎日のチェックが大事
保温や遮光などで環境を整えることでも、ハーブの生育が変わってきます。
日々、ハーブの状態をチェックして、必要な手入れをすることが大切です。
最初は1種類から始めてみて
ひとつのプランターや植木鉢にいろんな草花が混植された「寄せ植え」は、見た目も華やかで憧れますよね。
でも、初心者の方は、1種類のハーブから初めるのがオススメ。
上でも述べているように、ハーブにはそれぞれ好みの環境があります。寄植えをするには、そういった好みが近いハーブ同士を植えるなどの工夫が必要です。組み合わせによっては、上手く育たないことも。
はじめは単独で育てて、慣れてきたら寄植えにチャレンジしてみてください。
おすすめのハーブ
ここでは、栽培が比較的簡単で、使い勝手も良いハーブを紹介します。
ミント

タブレットやガムなどのお菓子や、化粧品にも使われるミント。清涼感のある香り成分メントールが、脳の中枢に働きかけて、活性化してくれる効果があります。また抗酸化作用のあるフラボノイドを含んでおり、胃腸の働きを促進する効果があることも知られています。
暑さ寒さに強く非常に丈夫な植物で、地植えにすると、地下茎がぐんぐん伸びて広がってしまうので、鉢植えがオススメです。鉢の中でも、すぐに根がいっぱいになるので、毎年植え替えるようにしましょう。
たくさんの品種がありますが、オススメの品種は「スペアミント」と「アップルミント」です。
ラベンダー

柔らかく清々しい香りが特徴のラベンダー。多くの化粧品に使われる芳香成分の酢酸リナリルやリナロールを含んでおり、心を落ち着ける鎮静作用や、肩こりなどの痛みをやわらげる作用があります。
ラベンダーの原産地は地中海沿岸で、比較的乾燥しに強く、逆に過湿に弱い傾向があります。ただし、ラベンダーとひとことに言ってもたくさんの種類があり、種類によって好む環境が異なります。お住まいの地域に合わせた品種を選ぶのが失敗を減らすポイントです。
料理やハーブティーに使われるのは、イングリッシュラベンダーやトゥルーラベンダーという種類です。
ローズマリー

ローズマリーは、ハーブの中でも抗酸化作用に特に優れているといわれます。ローズマリーに含まれるルテオリンという成分には血流促進作用があり、肩こり・頭痛のほか、肌荒れやくすみの改善にも効果を発揮します。
また、鶏肉や魚料理と相性がいいので、料理にも大活躍のハーブです。寒さに強く常緑で一年中収穫できます。
ラベンダーと同じく、地中海沿岸が原産なので、日当たりがよく風通しのよい屋外で育てるのがオススメです。
カモミール

りんごの香りがあって「カモミールティー」やアロマとしても人気のカモミール。抗酸化作用のあるフラボノイドのアピゲニンやルテオリンを含んでいて、鎮静・消炎作用があります。
たくさんの種類がありますが、一般的にカモミールティーとして利用するのは「ジャーマンカモミール」です。採りたてのジャーマンカモミールのフレッシュハーブティーは、ドライハーブティーにはない清々しい香りがあり、栽培している人だけの特別な味わいです。
原産地はインド、ヨーロッパから西アジアですが、現在では世界中どこでも見ることができます。非常に強健な植物なので、種からでも苗からでも育てやすく、初心者にもオススメのハーブです。

バジル

食用ハーブの中で人気No.1のバジル。採りたてのバジルを使ったパスタ、ピザやサラダは絶品ですよね。
原産地はインド、熱帯アジアなので、暑さには強く、寒さに弱い植物です。春先、夏野菜と一緒に苗が出回るので、日当たりのよい場所に植えましょう。
たくさん収穫したいなら、こまめに収穫するのもポイント。特に6月以降は花芽が伸びてくるので、花芽を摘み取って、そのわきから出てくる新芽を育てるようにしましょう。
食べきれない分は、ドライバジルにするのも良いですが、せっかく生のバジルがあるなら「バジルペースト」を作るのがオススメ。冷凍すれば、1ヶ月程度は持ちます。
まとめ
この記事では、ハーブを育てるメリットと、上手に育てるポイント、初心者でも育てやすいオススメのハーブを紹介しました。
ハーブは、お庭の彩りになるだけでなく、料理の幅を広げるなど、生活に活用できるのがメリット。あなたの生活にも、ハーブを取り入れてみてはいかがですか?